支部長挨拶

泉州支部の会員の皆様におかれましては、平素より支部事業にご理解とご協力を賜りましてありがとうございます。
土地家屋調査士を取り巻く環境は昨今の社会情勢の影響を受け、大きく変化してきております。
私が開業した当時は不動産登記法に関連した法律の理解でよかったのですが、筆界特定制度や民間紛争解決手続代理関係業務では今までより深い法律の知識が必要となります。
街区基準点測量では測量の技術的なことだけではなく測量法の理解が必要となります。そして近年、ドローンや3Dスキャナを使用した測量など日々進歩する新たな測量技術においても理解することが必要となってきております。 また、オンライン申請ではパソコンについての理解だけでなく、電子認証等や電子納付といった今まで登記とは関係がなかった多様な知識も必要になっております。
そのような多くの知識を得るためには研修会等での与えられた情報だけではなく、土地家屋調査士としての仕事の「場」を失ってしまわないように、自ら調べ、必要な情報を入手し・理解し、自分のスキルを上げていく必要があると実感しております。 この一年間、よく耳にしたのは「所有者不明土地の問題」と「空家問題」です。
そしてこの二つの問題においても土地家屋調査士の新しい活躍の「場」が提供されております。
「所有者不明土地の問題」では土地家屋調査士が所有者等探索委員となり法務局と一緒に問題解決に取り組んでいます。また、「空家問題」においては市町村から空家対策協議会委員に任命され、弁護士や建築士、自治会長などの他の委員と協議しながら解決していきます。
どちらも近年の社会情勢から出てきた調査士が活躍できる新しい「場」ですが、それは多くの土地家屋調査士の先生方が努力してきた結果、得ることが出来た「場」であります。
自らの知識やスキルを上げることだけで無く、会員同士の繋がりを大切にし、我々も土地家屋調査士の未来のために、今の社会に何が必要なのかを考え、次の世代に土地家屋調査士の新たな活躍の「場」を開拓していく必要があると感じております。そして社会にもっと貢献し、土地家屋調査士の必要性を社会全体に理解して頂くことが必要であると考えております。